・・・快適な音響空間を創造する音響調整板・・・

◆ ホール(オーディトリアム)について

ホール(コンサートホール、多目的ホール)は、使用目的により残響時間の設定が違いますが、音楽専用のコンサートホールは、残響時間が少し長めに設定され多目的ホールは、音楽と講演や式典といった多目的な用途を満足させる為に短めに設定されます。
残響可変装置を使用される場合は、両方の条件をある程度満足させることが可能ですが、通常はどちらかを選択して設定する事になりますので十分注意が必要です。
設計上の留意点 (1)室外から侵入する騒音と振動を完全に排除し、さらに空調騒音にも十分注意を払う。
(2)使用目的に応じた最適な残響時間の確保と、室内における音圧分布を均一にする。
(3)ロングパスエコーやフラッターエコーの発生を防止する。
(4)その他の音響弊害の発生を防止する。

◆ 体育館兼講堂(アリーナ)について

体育館(学校体育館、社会体育館)とは、室内における運動及び競技を主目的とした施設ですが、式典、講演会、音楽といった多目的な用途で使用されます。
また災害時には、地域住民の避難場所としての役割も持っている大変重要な施設です。
設計上の留意点 (1)室内及び外部に対する騒音(室内でNC-40程度)に十分な注意を払う。
(2)大空間の為残響時間が長くなりやすく、また音の行路差が17m(片道8.5m)以上となりロングパスエコーを生じます。
さらに平行面(天井と床及び相対する壁面)によるフラッターエコーや音の焦点といった各種の弊害が生じやすくなりますので、天井と壁に吸音性の高い仕上げ材料をバランス良く配置し、背面壁や両サイド壁の上部を拡散形状にするとより効果的です。
吸音処理をする場合に周波数特性のバランスを考えて低音域から高音域まで全体をうまく吸音させることが重要です。
(3)室内の仕上げ材は、運動及び競技が主目的である為、強度を十分に考慮を入れて選定する必要があります。

◆ 学校施設(多目的ホール、音楽室、視聴覚室)について

学校施設において多目的ホールは、学年単位の集会など多目的に利用される為、講演や話を主体にした音環境が要求されます。
また視聴覚室では、より高い音の明瞭度が要求され音楽室は、少しデッドにして声楽では、少し響かせるようにします。
さらに普通教室、図書室、工作室といった他の室もそれに応じた音環境が必要ですし、廊下なども騒音んが遠方まで伝わりやすくなりますので、天井などを吸音性の高い材料にすることが重要です。
設計上の留意点 (1)学校施設の敷地の選定及び建物の配置(平面、断面計画)を十分に検討する。
(2)建物の遮音に十分注意をはらい、使用目的に応じた適性な音響計画をする。